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社会福祉法人における収益事業とは

社会福祉事業

社会福祉法人は、その主たる事業である社会福祉事業に支障がない限り、必要に応じて「公益事業」や「収益事業」を行うことができます。

社会福祉法
(公益事業及び収益事業)
第二十六条 社会福祉法人は、その経営する社会福祉事業に支障がない限り、公益を目的とする事業(以下「公益事業」という。)又はその収益を社会福祉事業若しくは公益事業(第二条第四項第四号に掲げる事業その他の政令で定めるものに限る。第五十七条第二号において同じ。)の経営に充てることを目的とする事業(以下「収益事業」という。)を行うことができる。
2 公益事業又は収益事業に関する会計は、それぞれ当該社会福祉法人の行う社会福祉事業に関する会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない。

この記事では「収益事業」について説明します。

収益事業とは

社会福祉法人の収益事業とは、次の条件に該当する事業をいいます。

①社会福祉法人が行う社会福祉事業や公益事業(社会福祉法施行令第13条及び平成14年厚生労働省告示第283号に掲げるものに限る。以下③も同様)の財源に充てるため、一定の計画の下に、収益を得ることを目的として反復継続して行われる行為であって、社会通念上事業と認められる程度のものであることが必要です。

〇社会福祉法施行令
(社会福祉法人の収益を充てることのできる公益事業)
第十三条 法第二十六条第一項の政令で定める事業は、次に掲げる事業であつて社会福祉事業以外のものとする。
一 法第二条第四項第四号に掲げる事業
二 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八条第一項に規定する居宅サービス事業、同条第十四項に規定する地域密着型サービス事業、同条第二十四項に規定する居宅介護支援事業、同法第八条の二第一項に規定する介護予防サービス事業又は同条第十六項に規定する介護予防支援事業
三 介護保険法第八条第二十八項に規定する介護老人保健施設又は同条第二十九項に規定する介護医療院を経営する事業
四 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第七条第二号若しくは第三号又は第四十条第二項第一号から第三号まで若しくは第五号に規定する都道府県知事の指定した養成施設を経営する事業
五 精神保健福祉士法(平成九年法律第百三十一号)第七条第二号又は第三号に規定する都道府県知事の指定した養成施設を経営する事業
六 児童福祉法第十八条の六第一号に規定する指定保育士養成施設を経営する事業
七 前各号に掲げる事業に準ずる事業であつて厚生労働大臣が定めるもの

〇平成14年厚生労働省告示第283号「社会福祉法施行令第四条第七号の規定に基づき厚生労働大臣が定める社会福祉法人の収益を充てることのできる公益事業」の制定について

社会福祉法施行令(昭和三十三年政令第百八十五号)第四条第七号の規定に基づき、厚生労働大臣が定める社会福祉法人の収益を充てることのできる公益事業を次のように定める。
社会福祉法施行令第四条第七号の規定に基づき厚生労働大臣が定める社会福祉法人の収益を充てることのできる公益事業
社会福祉法施行令(昭和三十三年政令第百八十五号)第四条第七号の規定に基づき厚生労働大臣が定める社会福祉法人の収益を充てることのできる公益事業は、社会福祉事業と密接な関連を有する事業(同条第一号から第六号までに掲げる事業を除く。)であって、当該事業を実施することによって社会福祉の増進に資するものとして、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第三十条に規定する所轄庁が認めるものとする。

②事業の種類については、特別の制限はありません。
ただし、法人の社会的信用を傷つけるおそれがあるものや、投機的なものは不適当です。
なお、法人税法第2条第13号にいう収益事業の範囲に含まれない事業であっても、法人の定款上は収益事業として扱う場合もあります。

法人税法
(定義)
第二条(略)
十三 収益事業 販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。
(以下略)

③その事業から生じた収益は、その法人が行う社会福祉事業や公益事業の経営に充当する必要があります。

④その事業を行うことで、その法人の行う社会福祉事業や公益事業の円滑な遂行を妨げるおそれがあってはいけません。

⑤その事業は、その法人の行う社会福祉事業に対して、従たる地位にあることが必要です。
社会福祉事業を超える規模の収益事業を行うことは認められません。

⑥母子及び父子並びに寡婦福祉法第14条に基づく資金の貸付を受けて行う、同法施行令第6条第1項各号に掲げる事業については、③は適用されないものであることが必要です。

〇母子及び父子並びに寡婦福祉法
(母子・父子福祉団体に対する貸付け)
第十四条 都道府県は、政令で定める事業を行う母子・父子福祉団体であつてその事業に使用される者が主として次の各号に掲げる者のいずれかであるもの又は第一号に掲げる者の自立の促進を図るための事業として政令で定めるものを行う母子・父子福祉団体に対し、これらの事業につき、前条第一項第一号に掲げる資金を貸し付けることができる。
一 配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの
二 前号に掲げる者及び配偶者のない男子で現に児童を扶養しているもの
三 第一号に掲げる者及び寡婦
四 第二号に掲げる者及び寡婦

〇母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令
(貸付けの対象となる母子・父子福祉団体の事業)
第六条 法第十四条に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業であつて、継続して事業場を設けて行うものとする。
一 飲食店業
二 喫茶店業
三 理容業
四 美容業
五 クリーニング業
六 物品販売業
七 物品製造業(物品の加工修理業を含む。)
八 その他厚生労働大臣が定める事業
2 法第十四条に規定する同条第一号に掲げる者の自立の促進を図るための事業として政令で定めるものは、次に掲げる事業であつて、同号に掲げる者を対象として行うものとする。
一 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条第一項又は第三十三条第一項の許可を受けて行う職業紹介事業
二 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に規定する第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業
三 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第三号に規定する労働者派遣事業
四 その他厚生労働大臣が定める事業

参考:社会福祉法人が行うことができる・できない事業の例

≪社会福祉法人が行うことのできる事業の例≫
・当該法人の所有する不動産を活用して行う貸ビル、駐車場の経営
・公共的施設内の売店の経営など、安定した収益が見込める事業

≪社会福祉法人が行うことのできない事業の例≫
1.法人の社会的信用を傷つけるおそれのある事業
①「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」にいう風俗営業及び風俗関連営業
②高利な融資事業
③前に掲げる事業に不動産を貸し付ける等の便宜を供与する事業

2.社会福祉事業の円滑な遂行を妨げるおそれのある事業
①社会福祉施設の付近において、騒音、ばい煙等を著しく発生させるおそれのあるもの
②社会福祉事業と収益事業とが、同一設備を使用して行われるもの

収益事業として定款に記載する必要のない場合

次のような場合は、「一定の計画の下に、収益を得ることを目的として反復継続して行われる行為であって、社会通念上事業と認められる程度のもの」に該当しないので、結果的に収益を生ずる場合であっても、収益事業として定款に記載する必要はないとされています。

①その法人が使用する設備等を、外部の者に依頼されて、その法人の業務に支障のない範囲内で使用させる場合
(例)会議室を法人が使用しない時間に外部の者に使用させる場合等

②たまたま適当な興行の機会に恵まれて慈善興行を行う場合

③社会福祉施設等において、もっぱら施設利用者のために売店を経営する場合

まとめ

この記事のまとめ

社会福祉法人は、社会福祉事業に支障がない限り、「収益事業」を行うことができます。

社会福祉法人の収益事業とは、主に次の条件に該当する事業をいいます。
①社会福祉事業や公益事業の財源に充てるため、一定の計画の下に、収益を目的として、反復継続して行われるもの。
②法人の社会的信用を傷つけるおそれがあるものや、投機的なものでないこと。
③その事業の収益は、その法人の社会福祉事業や公益事業に充当すること。
④その法人の社会福祉事業や公益事業を妨げるおそれがないこと。
⑤その法人の行う社会福祉事業に対して、従たる地位にあること。

次の条件に該当する収益事業は、収益事業として定款への記載は不要です。
①その法人の設備等を、業務に支障のない範囲内で、外部者に使用させる場合
②たまたま適当な興行の機会に恵まれて慈善興行を行う場合
③社会福祉施設等において、もっぱら施設利用者のために売店を経営する場合