ご相談は 090-7980-8123 へお電話ください。

電気工事業法における電気工事とは

電気工事業

この記事では、電気工事業における電気工事について説明します。

電気工事業法における電気工事とは

電気工事業法(正式名「電気工事業の業務の適正化に関する法律」)における「電気工事」とは、電気工事士法第2条第3項に規定する電気工事をいいます。

電気工事業の業務の適正化に関する法律
第二条 この法律において「電気工事」とは、電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第二条第三項に規定する電気工事をいう。ただし、家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事を除く。

電気工事士法
第二条 (略)
3 この法律において「電気工事」とは、一般用電気工作物又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。

家庭用電気機械器具とは、ラジオ、テレビ、扇風機、冷蔵庫、ストーブ、こたつ、電灯等で、主として家庭で使用されるもの、いわゆる家電製品のことです。

経済産業省による電気工事業法の逐条解説によれば「電圧 200V以上で使用する電気機器に係る工事は本法の登録を受けた者が行うべきものである」とされています。

上記の電気工事士法にいう、一般用電気工作物と、自家用電気工作物については、こちらの記事を参考にしてください。

軽微な工事について

電気工事士法第2条第3項にいう「軽微な工事」とは、電気工事士法施行令第1条に定めるものをいいます。

電気工事士法施行令

(軽微な工事)
第一条 電気工事士法(以下「法」という。)第二条第三項ただし書の政令で定める軽微な工事は、次のとおりとする。
一 電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は電圧六百ボルト以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事
二 電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事
三 電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事
四 電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事
五 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事
六 地中電線用の暗渠きよ又は管を設置し、又は変更する工事

これらの作業は、電気工事業の登録は不要です。
また、電気工事士等の資格が無くてもできます。

「軽微な作業」について

電気工事には、軽微な工事のほかに、「軽微な作業」もあります。
まぎらわしいですが、軽微な作業は、それを業として行う場合には、登録が必要です。

軽微な作業とは、第1種電気工事士が従事すべき作業のうち、例外的に従事が不要とされている作業のことをいいます。

法令上は、電気工事士法第3条に定める「自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるもの」のことをいいます。

具体的には、電気工事士法施行令に定めがあります。

電気工事士法施行令

(軽微な作業)
第二条 法第三条第一項の自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものは、次のとおりとする。
一 次に掲げる作業以外の作業
イ 電線相互を接続する作業(電気さく(定格一次電圧三百ボルト以下であつて感電により人体に危害を及ぼすおそれがないように出力電流を制限することができる電気さく用電源装置から電気を供給されるものに限る。以下同じ。)の電線を接続するものを除く。)
ロ がいしに電線(電気さくの電線及びそれに接続する電線を除く。ハ、ニ及びチにおいて同じ。)を取り付け、又はこれを取り外す作業
ハ 電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く。)に取り付け、又はこれを取り外す作業
ニ 電線管、線樋ぴ、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業
ホ 配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)
ヘ 電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業
ト 金属製のボックスを造営材その他の物件に取り付け、又はこれを取り外す作業
チ 電線、電線管、線樋ぴ、ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付け、又はこれを取り外す作業
リ 金属製の電線管、線樋ぴ、ダクトその他これらに類する物又はこれらの附属品を、建造物のメタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの部分に取り付け、又はこれらを取り外す作業
ヌ 配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
ル 接地線(電気さくを使用するためのものを除く。以下この条において同じ。)を自家用電気工作物(自家用電気工作物のうち最大電力五百キロワット未満の需要設備において設置される電気機器であつて電圧六百ボルト以下で使用するものを除く。)に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極(電気さくを使用するためのものを除く。以下この条において同じ。)とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業
ヲ 電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業
二 第一種電気工事士が従事する前号イからヲまでに掲げる作業を補助する作業
2 法第三条第二項の一般用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものは、次のとおりとする。
一 次に掲げる作業以外の作業
イ 前項第一号イからヌまで及びヲに掲げる作業
ロ 接地線を一般用電気工作物(電圧六百ボルト以下で使用する電気機器を除く。)に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業
二 電気工事士が従事する前号イ及びロに掲げる作業を補助する作業

まとめ

この記事のまとめ

電気工事業法における「電気工事」とは
一般用電気工作物または自家用電気工作物を設置または変更する工事をいいます。
ただし、次の工事を除きます。
①政令で定める軽微な工事
②家電製品の販売に付随して行う工事

①と②の工事は、電気工事業の登録は不要です。

軽微な作業は、それを業とする場合、電気工事業の登録が必要です。
①の軽微な工事とは異なりますので、混同に注意してください。

この記事を書いた人
行政書士上田

法務省、内閣官房、復興庁での勤務を経て、行政書士・社会福祉士として開業。 14年間、公務員として福祉分野などに関わってきた経験を生かして、許認可申請と生活相談を専門とした行政書士・社会福祉士として、お客様の事業や生活を支援しています。

行政書士上田をフォローする
電気工事業
この記事はSNSでシェアできます。