戸籍とは、日本人の国籍や親族関係の変動について、登録・証明する公文書のことです。
戸籍の管理
戸籍を管理しているのは、以下の役所です。
・法務省(法務局)
・地方自治体(市町村。特別区や政令市の区を含む)
戸籍謄本の請求など、住民に対する戸籍関係の手続きは、本籍地となる地方自治体(市区町村)で対応しています。
戸籍について、根拠になる法律は、戸籍法です。
戸籍の単位
戸籍は、夫婦とその未婚の子を単位に作られます。
よって、夫婦が婚姻すれば、その夫婦について、新たな戸籍が作られることになります。
ただし、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が、戸籍の筆頭者であるときは、その筆頭者の戸籍に、他方の配偶者が入るので、新たな戸籍は作りません。
また、婚姻以外の事情(転籍など)で、ある人について、新たな戸籍を作るときは、その人や、その人と氏を同じくする子ごとにまとめて、戸籍を作ります。
戸籍の記載事項
戸籍には、その在籍者に関して、次の事項が記載されています。
①本籍
②氏名
③出生の年月日
④戸籍に入った原因と、その年月日
⑤実父母の氏名、実父母との続柄
⑥養子の場合は、養親の氏名と、養親との続柄
⑦夫婦の場合は、夫または妻であるという表示
⑧他の戸籍から入った人については、その戸籍の表示
⑨その他法務省令で定める事項
⑨については、多々ありますが、もっぱら在籍者の身分関係に関する出来事が、その届出者と、届出の受付年月日とともに記載されます。例示すると、次のようなものです。
・子の出生
・子の認知
・普通養子縁組や、その離縁
・特別養子縁組や、その離縁
・離縁の際に称していた氏を称すること
・婚姻や離婚
・離婚の際に称していた氏を称すること
・親権や未成年者の後見
・死亡や失踪
・生存配偶者の復氏や、姻族関係の終了
・推定相続人の廃除
・分籍
・国籍の得喪
・日本の国籍の選択の宣言や、外国籍の喪失
・氏の変更や、名の変更
・就籍
・性別の取扱いの変更
戸籍は、出生や婚姻、死亡などに伴って、関係者(本人や親族など)がその事実を役所(市区町村)に届け出ることによって内容が更新されるので、届出をしなければ、事実と異なる内容になることがあります。
この点、届出に関して、戸籍法には、次のとおり罰則があります。
正当な理由がなく、届出や申請をしない者 → 5万円以下の過料
虚偽の届出をした者 → 1年以下の懲役、または20万円以下の罰金
戸籍の種類
戸籍には、いろいろな種類があり、まぎらわしいものです。
本籍地の自治体で、戸籍を取ろうとした際に、申請用紙に何種類もの戸籍(のようなものも含めて)が並んでいて、何を請求すればいいのか、迷った方もおられると思います。
戸籍の種類については、こちらの記事で整理しています。
戸籍と国籍
戸籍は、日本国籍のある人だけを登録するものです。
日本国籍のある人は、海外に在住していても、日本の本籍地で戸籍に登録されます。
外国人は、日本国籍を持っていないと、戸籍に登録されません。
日本人と婚姻しても、外国籍であるなら、戸籍に入れません。
なお、外国人が日本に帰化し、日本国籍を得た場合には、戸籍に登録されます。
本籍地と住所
本籍地と住所は、次のような違いがあります。
本籍地
本籍地は、戸籍が置いてある場所のことです。
婚姻届や転籍届などで、本籍地を届け出ることで、自由に設定でいます。
戸籍謄本などは、本籍地の自治体(市区町村)が発行します。
住所
住所地は、住んでいる場所として届け出た場所です。
転出・転入届などを提出すると設定できます。
住民票の写しなどは、住所地の自治体(市区町村)が発行します。
自分の本籍地がわからない場合は、本籍地の記載のある住民票を取得することで確認できます。
戸籍の取得方法
戸籍謄本などが欲しい場合、本籍地の地方自治体(市区町村)に対して、請求することになります。
請求方法は、自治体によって様々ですが、窓口での対応のほか、郵送での対応もしています。
最近では、マイナンバーカードを用いて、コンビニのマルチコピー機で請求できる自治体もあります。(住民票や印鑑登録書を取得できる自治体もあります)
詳しくは、各自治体のホームページで確認してください。
また、コンビニでの交付対応については、「戸籍 コンビニ」と検索すると、「コンビニ交付」とサイトが検索結果に表示されます。
このサイトは「地方公共団体情報システム機構」が運営するサイトで、戸籍のコンビニ交付を実施している自治体を確認することができます。