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戸籍とは 戸籍の基本をまとめました

戸籍

戸籍とは、日本人の国籍や親族関係の変動について、登録・証明する公文書のことです。

婚姻、出産、養子縁組、死亡など、人生の様々な機会において、戸籍は更新されていきますので、個人の遍歴をたどる資料として、戸籍が役に立つときがあります。

戸籍が役に立つ、典型的な場面としては、遺産相続における親族関係の調査があります。
その他、生き別れになっている親族を探すとか、家系図を作成するとか、様々な場面で活用されています。

この記事では、戸籍法を参考に、戸籍について説明します。

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戸籍を管轄する行政

戸籍について、根拠になる法律は、戸籍法です。

その戸籍法において、戸籍を管理しているのは、以下の役所です。

・法務省(法務局)
・地方自治体(市町村。特別区や政令市の区を含む)

法務省(法務局)は、戸籍のことについて、地方自治体に対する監督的立場にあります。
窓口業務を行っているわけではありませんので、法務局で戸籍を発行してもらうことはできません。

戸籍謄本の発行など、住民に対する戸籍関係の手続きについて、実務上の窓口業務は、その住民の本籍地となる地方自治体(市区町村)で対応しています。

第一条 戸籍に関する事務は、この法律に別段の定めがあるものを除き、市町村長がこれを管掌する。
(略)

第三条 法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。
② 市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長(以下「管轄法務局長等」という。)は、戸籍事務の処理に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができる。この場合において、戸籍事務の処理の適正を確保するため特に必要があると認めるときは、指示をすることができる。
(略)

昭和二十二年法律第二百二十四号
戸籍法

戸籍の単位

戸籍は、夫婦と、その未婚の子を単位に作られます。
よって、婚姻すれば、その夫婦について、新たな戸籍が作られることになります。
その夫婦に子が生まれれば、その夫婦の戸籍に入ります。

ただし、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が、戸籍の筆頭者であるときは、その筆頭者の戸籍に、他方の配偶者が入るので、新たな戸籍は作りません。

また、婚姻以外の事情(転籍など)で、ある人について、新たな戸籍を作るときは、その人や、その人と氏を同じくする子ごとにまとめて、戸籍を作ります。

外国人と結婚した場合には、その外国人が戸籍に入ることはありませんが、外国人と結婚した人の戸籍に、外国人と結婚したことが記載されます。

第六条 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。

昭和二十二年法律第二百二十四号
戸籍法

性同一性障害の方が、裁判所での手続きを経て、性別の取扱いの変更の審判があった場合には、その方を筆頭者とした新しい戸籍が作られるときがあります。(性別の変更以前から、その方のみの単独の戸籍だった場合、新しい戸籍は作られません)

第二十条の四 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第三条第一項の規定による性別の取扱いの変更の審判があつた場合において、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者の戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者を含む。)が他にあるときは、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者について新戸籍を編製する。

昭和二十二年法律第二百二十四号
戸籍法

戸籍の記載事項

戸籍には、その在籍者に関して、次の事項が記載されています。

①本籍
②氏名
③出生の年月日
④戸籍に入った原因と、その年月日
⑤実父母の氏名、実父母との続柄
⑥養子の場合は、養親の氏名と、養親との続柄
⑦夫婦の場合は、夫または妻であるという表示
⑧他の戸籍から入った人については、その戸籍の表示
⑨その他法務省令で定める事項

⑨については、多々ありますが、もっぱら在籍者の身分関係に関する出来事が、その届出者と、届出の受付年月日とともに記載されます。例示すると、次のようなものです。(戸籍法施行規則第35条)

・子の出生
・子の認知
・普通養子縁組や、その離縁
・特別養子縁組や、その離縁
・離縁の際に称していた氏を称すること
・婚姻や離婚
・離婚の際に称していた氏を称すること
・親権や未成年者の後見
・死亡や失踪
・生存配偶者の復氏や、姻族関係の終了
・推定相続人の廃除
・分籍
・国籍の得喪
・日本の国籍の選択の宣言や、外国籍の喪失
・氏の変更や、名の変更
・就籍
・性別の取扱いの変更

戸籍に記載する事項については、戸籍法と戸籍歩施行規則に定められています。

戸籍は、出生や婚姻、死亡などに伴って、関係者(本人や親族など)が、その事実を役所(市区町村)に届け出ることによって内容が更新されるので、届出をしなければ、事実と異なる内容になることがあります。

この点、届出に関して、戸籍法には、次のとおり罰則があります。

正当な理由がなく、届出や申請をしない者 → 5万円以下の過料

虚偽の届出をした者 → 1年以下の懲役、または20万円以下の罰金

戸籍の種類

戸籍には、いろいろな種類があり、まぎらわしいものです。

本籍地の自治体で、戸籍を取ろうとした際に、申請用紙に何種類もの戸籍(のようなものも含めて)が並んでいて、何を請求すればいいのか、迷った方もおられると思います。

戸籍の種類については、こちらの記事で整理しています。

戸籍と国籍

戸籍は、日本国籍のある人だけを登録するものです。

日本国籍のある人は、海外に在住していても、日本の本籍地で戸籍に登録されます。

外国人は、日本国籍を持っていないと、戸籍に登録されません。

日本人と婚姻しても、外国籍であるなら、戸籍に入れません。

なお、外国人が日本に帰化し、日本国籍を得た場合には、戸籍に登録されます。

本籍地と住所

本籍地と住所は、次のような違いがあります。

本籍地

本籍地は、戸籍が置いてある場所のことです。
婚姻届や転籍届などで、本籍地を届け出ることで、自由に設定できます。
戸籍謄本などは、本籍地の自治体(市区町村)が発行します。

住所

住所地は、住んでいる場所として届け出た場所です。
転出・転入届などを提出すると設定できます。
住民票の写しなどは、住所地の自治体(市区町村)が発行します。

自分の本籍地がわからない場合は、本籍地の記載のある住民票を取得することで確認できます。

戸籍の取得方法

戸籍謄本などが欲しい場合、本籍地の地方自治体(市区町村)に対して、請求することになります。

請求方法は、自治体によって様々ですが、窓口での対応のほか、郵送での対応もしています。

最近では、マイナンバーカードを用いて、コンビニのマルチコピー機で請求できる自治体もあります。(住民票や印鑑登録書を取得できる自治体もあります)

詳しくは、各自治体のホームページで確認してください。

また、コンビニでの交付対応については、「戸籍 コンビニ」と検索すると、「コンビニ交付」とサイトが検索結果に表示されます。

このサイトは「地方公共団体情報システム機構」が運営するサイトで、戸籍のコンビニ交付を実施している自治体を確認することができます。

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この記事を書いた人
行政書士上田

法務省、内閣官房、復興庁での勤務を経て、行政書士・社会福祉士として開業。 14年間、公務員として福祉分野などに関わってきた経験を生かして、許認可申請と生活相談を専門とした行政書士・社会福祉士として、お客様の事業や生活を支援しています。

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