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「専任技術者」であることの確認書類について

建設業

建設業許可を受けるには、建設業者に「専任技術者」がいることが必要です。

許可申請時には、自社の「専任技術者」が、専任技術者としての要件を満たしていることを、書類で確認できるようにしなければいけません。

この記事では、専任技術者の確認書類について、説明します。

どんな書類で、どんなことを確認するのか

専任技術者は、許可を受けようとする建設工事について施工する技術があって、常勤の人があてはまります。

建設業許可の申請では、その人に、専任技術者にふさわしい技術があることを、学歴・資格・実務経験のいずれかの確認書類で行政庁に証明しなければいけません。

また、営業所に常勤であることを証明する確認書類も要です。

必要になる書類は、様々ですが、許可を受ける都道府県によって細かい違いがあります。
以下、東京都の場合を例に説明します。

常勤で働いていることを確認する書類

以下は、専任技術者が、常勤で働いていることを確認するための書類です。

住民票

住民票を用いて、通勤可能な範囲に住んでいることを確認することで、常勤で働いていることが推定されます。

住民票は、専任技術者本人の住民票です。
抄本(本人のみ記載されたもの)で構いません。
マイナンバー・本籍地の記載は不要です。
発行後3か月以内のものを用います。

住民票の写しは、お住いの地域によっては、マイナンバーカードを使って、コンビニの複合機を使って取得できます。

現住所が住民票と異なる場合

現住所が住民票と異なる場合、住民票を確認するだけでは、どこに住んでいるのか分からないので、本当に職場に通勤できるところに住んでいるのか、常勤なのか、疑われます。

この場合、住民票だけでなく、現住所が確認できる資料も必要です。

この場合の確認書類について、指定はありませんので、適宜の書類を準備することになりますが、次のような書類を証明として用いて、行政庁を説得することになるものと思われます。

・住居の賃貸契約書の写し
・公共料金(電気・ガス・水道)の領収書や検針票の写し
※いずれも、本人名義や現住所が確認できなければ、確認書類としては弱いと思われます。

住民票の住所が、職場から離れている場合

住民票の住所に住んでいたとしても、職場から離れている場合、本当に常勤なのか疑われます。

東京都の場合は、通勤時間がおおむね片道2時間以上の場合は、さらに確認書類が必要です。

この場合の確認書類についても、指定はありませんので、適宜の書類を準備することになりますが、次のような書類を確認として用いて、行政庁を説得することになるものと思われます。

・自宅から職場までの公共交通機関の定期券のコピー
・ETCやICカード乗車券の使用履歴
※いずれも、本人宅から職場まで、定期的に通勤しているような履歴が確認できなければ、確認書類としては弱いと思われます。

健康保険被保険者証の写し

保険証に事業所名が記載されていれば、そこで働いていることが確認できます。

保険証は、社会健康保険証、国民健康保険証、後期高齢者医療被保険者証があてはまります。

保険証の券面に事業所名が記載されていない場合は、下記のいずれかの追加資料が必要です。
いずれも、申請時に、写しを提出するだけでなく、窓口で原本を提示する必要があります。

・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
・住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)の写し
・確定申告書(税務署の受付印押印のもの)
 法人においては、表紙と役員報酬明細の写し
 個人においては、第一表と第二表の写し
・その他、常勤が確認できるもの
(例:工事台帳や日報等、毎日業務していることが分かるもの)

なお、上記のほかに、さらに追加資料の提出を求められることもあります。

また、専任技術者が、出向者の場合は、別途確認資料が必要です。
どのような確認資料が必要なのかは、行政庁と個別の相談となりますが、出向協定書(出向者名、出向期間、出向条件等が確認できる書類)の提出を求められることが多いようです。

なお、出向が自動更新の場合、出向元からの出向証明書や、直近3ヶ月分の費用負担を証明する書類など、現在も出向が継続していることが確認できる資料も必要です。

これほどに資料提出が細かく厳しいのは困ってしまいますが、専任技術者については、名義貸しのような実態の伴わない勤務実態を防止するために、常勤であることの審査が厳しくなっているものと思われます。

技術があることを確認する書類

以下は、専任技術者が、技術者としての技術を持っていることを確認するための書類です。
学歴・資格・実務経験のいずれによって技術を証明するかによって、必要となる確認書類が異なります。
※追加申請の際は、資料提出を省略できる場合もあります。

学歴についての確認書類

専任技術者について、指定学科を卒業したことを証明する場合、卒業証書が必要です。

なお、指定学科を卒業した者が専任技術者になるには、卒業後、所定の経験年数を必要とします。
よって、卒業証明書に加えて、卒業後の実務経験について確認書類が必要です。

卒業後の実務経験に関する確認書類は、後述する実務経験の確認書類と同じです。

資格についての確認書類

専任技術者について、資格を保有していることを証明する場合、その合格証や免許証の写しが必要です。

専任技術者が、監理技術者である場合は、監理技術者資格者証の写しでも証明できます。

これらは、申請時に窓口で原本を提示する必要があります。

実務経験についての確認書類

専任技術者について、実務経験があることを証明する場合、次の確認書類が必要です。
実務経験を積んだ建設業者が、許可業者であるか否かで、書類が異なります。

実務経験を積んだ建設業者が建設業許可を有している(いた)場合

専任技術者が実務経験を積んだ建設業者が、建設業許可を有している(または有していた)建設業者である場合、その建設業者の建設業許可申請書や変更届出書の写しが必要です。

申請書や届出書の写しが入手できない場合は、許可業種や許可番号を把握するなどして、その建設業者を特定できるようにして行政庁に説明することになります。

実務経験を積んだ建設業者が建設業許可を有していない場合

専任技術者が実務経験を積んだ建設業者が、建設業許可を有していない建設業者である場合、その建設業者の業種内容が明確にわかる工事請負契約書、工事請書、注文書、請求書等の写しが必要です。
また、申請時に、窓口で期間通年分の原本提示が必要です。

請求書や、原本が電子データの注文書、FAXで送付された注文書等は、入金が確認できる資料(銀行通帳など)が必要です。また、請求書などとセットにして提示する必要があります。

専任技術者の実務経験を積んだ期間の常勤についての確認書類

以上のほか、専任技術者としての実務経験を積んだ期間が常勤であったことを証明するため、次のいずれかの確認書類が必要となります。

・健康保険被保険者証の写し(事業所名と資格取得年月日の記載されているもので、引き
続き在職している場合に限る。)
・厚生年金被保険者記録照会回答票(事業所名が記載されていること。)
・住民税特別徴収税額通知書の写し(期間分の原本提示も必要)
・確定申告書(税務署の受付印押印のもの)
 法人の役員の場合は、表紙と役員報酬明細の写し(期間分の原本提示)
 個人においては、確定申告書の第一表と第二表の写し(期間分の原本提示)
・その他(出向等の場合は、上記「健康保険被保険者証の写し」の項の記載と同じ)

指導監督的実務経験についての確認書類

特定建設業の許可における専任技術者は、所定の国家資格者ではない場合、2年間の指導監督的実務経験が必要になります。
よって、この指導監督的実務経験があることを証明する確認書類を提出します。

指導監督的実務経験とは

指導監督的実務経験とは、建設工事の設計や、施工の全般について、工事現場主任者または工事現場監督者のような資格で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

建設業許可の取得にあたって、この指導監督的な実務の経験は、許可を受けようとする建設業種の建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上(※)であるものについて、2年以上の指導監督的な実務の経験が必要とされています。

※以下の実務経験は、4,500万円以上の建設工事に関する実務の経験とみなして、2年以上の期間に算入することができます。
①昭和59年10月1日前に請負代金の額が1,500万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた実務の経験
②昭和59年10月1日以降平成6年12月28日前に請負代金の額が3,000万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた実務の経験

なお、発注者から直接請け負った建設工事に関する経験のみを認めるものであり、発注者の側における経験や下請負人としての経験は含みません。

この2年間の指導監督的実務経験の期間について、次の2点を証明する必要があります。
①実務経験証明期間の常勤を確認できるもの
 上記「専任技術者の実務経験を積んだ期間の常勤についての確認書類」の項と同じです。
②請負代金が4,500万円以上の工事において指導監督的な実務をしていたこと
 その工事の契約書類(契約書、注文書、施工証明書など)の写し(原本提示も必要です)
 ※契約金額や工事名、契約期間が記載されていることが必要です。

大臣特認についての確認書類

技術者の要件が大臣特認の場合は、その認定証の写しが必要です。

まとめ

この記事のまとめ

専任技術者の確認書類は、基本的には、次のとおりです。(東京都の場合)
①住民票
※住民票と現住所が異なる場合など、追加資料の提出あり
②健康保険被保険者証の写し
※保険証で事業所名が不明の場合、追加資料の提出あり
③学歴を証明する場合
 卒業証明書
④資格を証明する場合
 合格証や免許証
 監理技術者資格者証でも可
⑤実務経験を証明する場合
 許可業者での実務経験は、建設業許可申請書や変更届出書
 無許可業者での実務経験は、経験期間分の契約書、工事請書、注文書、請求書など
以上に加えて、特定建設業の許可申請の場合
⑥実務経験証明期間の常勤を確認できるもの
 上記⑤に同じ
⑦請負代金が4,500万円以上の工事において指導監督的な実務をしていたこと
 その工事の契約書類(契約書、注文書、施工証明書など)