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解体工事業の建設業許可で専任技術者になるには

建設業

建設業許可において、専任技術者には、学歴・資格・実務経験のいずれかが必要です。
このうち、学歴や資格については、工事業種によって違いがあります。
また、実務経験については、許可を受けようとする工事業種の工事の実務経験だけが認められます。

この記事では、解体工事業の専任技術者になるための要件について整理します。

解体工事業の専任技術者になるための学歴

解体工事業の専任技術者になるための学歴については、下表のとおりです。
それぞれの学校について「指定学科」を卒業後、3~5年の実務経験が必要になります。

高等学校全日制、定時制、通信制、専攻科、別科指定学科卒業
+
実務経験5年
中等教育学校平成10年に学校教育法の改正により創設
された中高一貫教育の学校
大学・短期大学学部、専攻科、別科指定学科卒業
+
実務経験3年
高等専門学校学科、専攻科
専修学校専門課程、学科

指定学科卒業

実務経験5年
(専門士、高度専門士
であれば3年)

指定学科について

上表において「指定学科」とされているものは、次の①または②に関する学科です。

①土木工学
②建築学

類似学科について

また、指定学科の類似学科として、次の学科は、指定学科と同様とみなされます。
つまり、解体工事業の専任技術者になるための学歴として認められます。

土木工学に関する学科

開発科、海洋科、海洋開発科、海洋土木科、環境造園科、環境科、環境開発科、環境建設科、環境整備科、環境設計科、環境土木科、環境緑化科、環境緑地科、建設科、建設環境科、建設技術科、建設基礎科、建設工業科、建設システム科、建築土木科、鉱山土木科、構造科、砂防科、資源開発科、社会開発科、社会建設科、森林工学科(※)、森林土木科、水工土木科、生活環境科学科、生産環境科、造園科、造園デザイン科、造園土木科、造園緑地科、造園林科、地域開発科学科、治山学科、地質科、土木科、土木海洋科、土木環境科、土木建設科、土木建築科、土木地質科、農業開発科、農業技術科、農業土木科、農業工学科(ただし、東京農工大学・島根大学・岡山大学・宮崎大学以外については、農業機械専攻、専修又はコースを除く)(※)、農林工学科(※)、農林土木科、緑地園芸科、 緑地科、緑地土木科、林業工学科(※)、林業土木科、林業緑地科、学科名に関係なく生産環境工学コース・講座・専修・専攻、学科名に関係なく農業土木学コース・講座・専修・専攻、学科名に関係なく農業工学コース・講座・専修・専攻

学科名の末尾にある「科」「学科」「工学科」は他のいずれにも置き換えることができます。
ただし、「森林工学科」「農林工学科」「農業工学科」「林業工学科」については、置き換えることはできません。(※をつけている学科です)

建築学に関する学科

環境計画科、建築科、建築システム科、建築設備科、建築第二科、住居科、住居デザイン科、造形科

学科名の末尾にある「科」「学科」「工学科」は他のいずれにも置き換えることができます。

解体工事業の専任技術者になるための資格

解体工事業の専任技術者になるための資格については、次のとおりです。
なお、特定建設業の許可では、資格に加えて、2年間の指導監督的実務経験が必要になるものがあります。(以下で※をつけている資格です)

指導監督的実務経験とは

指導監督的実務経験とは、建設工事の設計や、施工の全般について、工事現場主任者または工事現場監督者のような資格で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

建設業許可の取得にあたって、この指導監督的な実務の経験は、許可を受けようとする建設業種の建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上(※)であるものについて、2年以上の指導監督的な実務の経験が必要とされています。

※以下の実務経験は、4,500万円以上の建設工事に関する実務の経験とみなして、2年以上の期間に算入することができます。
①昭和59年10月1日前に請負代金の額が1,500万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた実務の経験
②昭和59年10月1日以降平成6年12月28日前に請負代金の額が3,000万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた実務の経験

なお、発注者から直接請け負った建設工事に関する経験のみを認めるものであり、発注者の側における経験や下請負人としての経験は含みません。

解体工事業は、とび・土木工事業から派生した工事業種であるため、当分の間、とび・土木工事業の資格によっても専任技術者として認められます。

建設業法施行規則
附 則 (平成二七年一二月一六日国土交通省令第八三号)
第四条 この省令の施行の際現にとび・土工工事業に関し建設業法施行規則第七条の三第一号及び第二号に掲げる者は、平成三十三年三月三十一日までの間に限り、解体工事業に関し改正後の建設業法施行規則第七条の三に規定する法第七条第二号ハの規定により、同号イ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものとして国土交通大臣が認定する者とみなす。

①令和3(平成33)年3月31日までは有効な資格

以下の資格は、とび・土工工事業の専任技術者として認められる資格ですが、上記の事情により、令和3(平成33)年3月31日までは、解体工事業の専任技術者として認められる資格とみなされます。

ただし、令和3(平成33)年3月31日までに、下記②または③の資格に変更できない場合、解体工事業の専任技術者として認められなくなります。

1級建設機械施工技士
2級建設機械施工技士(第1種~第6種) (※)

2級土木施工管理技士(種別「薬液注入」)(※)

技術士(以下、部門・選択科目)
建設「鋼構造及びコンクリート」、総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
農業「農業土木」、総合技術監理(農業「農業土木」)
水産「水産土木」、総合技術監理(水産「水産土木」)
森林「森林土木」、総合技術監理(森林「森林土木」)

地すべり防止工事士 (※)
登録後、1年以上の実務経験が必要です。

技能検定のウェルポイント施工1級(※)
技能検定のウェルポイント施工2級(※)
2級は、合格後3年以上の実務経験が必要です。
ただし、平成15年度以前の合格者は、実務経験1年で構いません。

技能検定の型枠施工1級(※)
技能検定の型枠施工2級(※)
2級は、合格後3年以上の実務経験が必要です。
ただし、平成15年度以前の合格者は、実務経験1年で構いません。

技能検定のコンクリート圧送施工1級(※)
技能検定のコンクリート圧送施工2級(※)
2級は、合格後3年以上の実務経験が必要です。
ただし、平成15年度以前の合格者は、実務経験1年で構いません。

②令和3(平成33)年3月31日までに実務経験または講習が必要な資格

以下の資格は、解体工事業の専任技術者として認められる資格ですが、令和3(平成33)年3月31日までに、解体工事に関する実務経験1年以上、または登録解体工事講習の受講が必要となります。

令和3(平成33)年3月31日までに、実務経験が1年に満たない、または講習を未受講の場合、解体工事業の専任技術者として認められなくなります。

1級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士(種別「土木」)(※)
いずれも、平成27年度までの合格者については、解体工事に関する実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要です。

1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士(種別「建築」)
2級建築施工管理技士(種別「躯体」)
いずれも、平成27年度までの合格者については、解体工事に関する実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要です。

技術士のうち、建設、総合技術監理(建設)

技能検定のとび・とび工1級(※)
技能検定のとび・とび工2級(※)
平成33年3月31日までに解体工事3年の実務経験が必要です。
2級は、合格後、解体工事3年以上の実務経験が必要です。

③特に条件のない資格

以下の資格は、実務経験や講習などの条件はありません。

解体工事施工技士(※)

解体工事業の専任技術者になるための実務経験

実務経験のみで専任技術者になるには、10年の経験年数が必要となります。
解体工事業の実務経験として認められる工事は、次のとおりです。

土木一式工事や建築一式工事で建設された工作物を、専門工事として解体を行う工事

※新設を伴う解体は、それぞれの工事業種に該当します。
例:信号機を解体して、信号機を新設する工事 → 電気工事業

※それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は、各専門工事に該当します。
例:信号機の解体工事 → 電気工事業

※総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木一式工事や建築一式工事に該当します。

※平成28 年5月31 日までに請け負った「とび・土工工事」の実績のうち、解体工事に関するものは、解体工事業の実務経験として認められます。

まとめ

以上のとおり、解体工事業の専任技術者になるための要件を整理しました。

注意点として、特定建設業許可では、資格による専任技術者は、資格に加えて、2年間の指導監督的実務経験が必要になるものがあります。

また、とび・土工工事業から派生した工事業種であるため、とび・土工工事業の資格についても、令和3(平成33)年3月31日までは、解体工事業の資格とみなされます。

建設業許可の申請時には、これらの要件を満たしていることを、書類で証明する必要があります。

建設業許可において、専任技術者の要件を満たすことは、高いハードルになることがあります。

特に、実務経験による場合、10年分の実務経験を書類で証明しなければならないので、書類を作成するための資料の収集も10年分が必要となり、かなりの労力が必要です。