相談は無料 03-4500-8200 お電話ください。

建設業許可で工事実績と認められないものは?

建設業

建設業許可を受けるには工事実績が必要です。
この点、建設業許可の審査において、工事実績が認められないことがあります。

自社で「工事」と呼んでいる作業が、建設業許可の審査における「工事」にあてはまらない可能性があります。

この記事では、建設業許可の審査において、工事として認められない作業を例示します。

建設業許可の審査における工事とは

建設業法では「建設工事」を29種類に分けています。

自社で「工事」と呼んでいる作業が、この29種類に、はっきりあてはまるのであれば、問題ありません。

しかしながら、実際の工事現場での作業が、29種類の建設工事のどれに当てはまるのかは、ケースバイケースで判断するところもあり、はっきりとは分からないときもあります。

もし、建設業許可の審査における工事に当てはまらない場合、誠に残念ながら、その作業は、工事実績としては認められません。
工事として認められる他の作業の実績をもって、工事実績として申請する必要があります。

この点、現場において工事と呼ばれる作業は無数にあるので、実際の工事現場での作業が、 建設業許可でいう工事にあたるのかどうかは、具体例をもとに考えていくことになります。

そこで、参考までに、関東圏の各行政庁が作成する手引書のなかから、建設工事に該当しない例を記載しているものを選んで、建設工事に該当しない作業を抜粋してみます。

神奈川県で建設工事に該当しない作業

以下、神奈川県の建設業許可の手引きから抜粋

・剪定、除草、草刈り、伐採   
・道路・緑地・公園・ビル等の清掃や管理、建築物・工作物の養生や洗浄
・施設・設備・機器等の保守点検、(電球等の)消耗部品の交換    
・調査、測量、設計
・運搬・残土搬出・地質調査・埋蔵文化財発掘・観測・測定を目的とした掘削
・船舶や航空機など土地に定着しない動産の築造・設備機器取付
・自家用工作物に関する工事

茨城県で建設工事に該当しない工事

以下、茨城県の建設業許可の手引きから抜粋

保守点検、維持管理、除草、草刈、伐採、除雪、融雪剤散布、測量、墨出し、地質調査、樹木の剪定、庭木の管理、造林、採石、調査目的のボーリング、施肥等の造園管理業務、造船、機械器具製造・修理、機械の賃貸、宅地建物取引、建売住宅の販売、浄化槽清掃、ボイラー洗浄、側溝清掃、コンサルタント、設計、リース、資材の販売、機械・資材の運搬、保守・点検・管理業務等の委託業務、物品販売、清掃、人工出し、解体工事で生じた金属等の売却収入、JVの構成員である場合のそのJVからの下請工事、自社建物の建設

栃木県で建設工事に該当しない工事

以下、栃木県の建設業許可の手引きから抜粋

・樹木の剪定、枝はらい
・道路、河川等の維持管理業務における草刈、側溝清掃、除雪、除土運搬等
・ガス、空調設備、電気設備、消防設備、配管設備等の保守、点検、清掃、管理業務
・測量、設計、地質調査等の委託業務
・機械、資材の運搬業務
・船舶、航空機等、土地に定着しない工作物の築造
・栃木県発注の森林整備事業

群馬県で建設工事に該当しない工事

以下、群馬県の建設業許可の手引きから抜粋

・樹木の剪定、伐採、除草、伐根
・緑地、公園の管理(指定管理者等)
・除雪
・建設機械リース(オペレーターが付かない)
・測量(墨出し)、設計、地質調査   
・ビル清掃などの清掃業務
・自社施工(自社ビル、建売住宅)
・土地、建物の売買
・電気設備、消防設備の保守点検(保守点検に含まれる修繕を含む)
・道路維持管理業務委託(調査、点検、道路清掃、側溝清掃、除草、街路剪定等)

静岡県で建設工事に該当しない工事

以下、静岡県の建設業許可の手引きから抜粋

除草、草刈、伐採、樹木の剪定、庭木の管理、造林、除雪、融雪剤散布、測量、設計、地質調査、調査目的のボーリング、保守点検、保守・点検・管理業務等の委託業務、清掃、浄化槽清掃、ボイラー洗浄、側溝清掃、造船、機械器具製造・修理、道路の維持管理、施肥等の造園管理業務、建設機械の賃貸、リース、建売住宅の販売、社屋の工事、資材の販売、物品販売、機械・資材の運搬、採石、宅地建物取引、コンサルタント、人工出し、解体工事や電気工事で生じた金属等の売却収入、JVの構成員である場合のそのJVからの下請工事等

工事として認められない作業は

以上のとおり、微妙に地域差があります(茨城県と静岡県は、おおむね同じです)。
おおまかな傾向としては、調査、清掃、リースなど、一般常識で工事と呼べないものが例示されている印象です。

しかし、保守点検など、いわゆる保守工事などと呼ばれる作業も含まれており、実務上では切り分けが難しい例もありそうです。
こうした作業については、建設業の許可申請にあたって、工事として認められるかどうか、作業内容を慎重に吟味する必要があります。

ところで、以上の具体例は、例を挙げている地域では、建設業法にいう「工事」にはあてはまらないということになるので、その具体例の作業実績だけでは、建設業許可を受けられません。

つまり、視点を変えれば、その作業をやるためだけであれば、その地域での建設業許可は不要ということになります。

ただし、他の都道府県では建設工事として許可が必要なものにあてはまるかもしれず、他地域での事業展開を検討する際には、行政庁に確認したほうが安全と思われます。

なお、許可申請の手続上、「建設工事」に該当しないものは、兼業に該当するので、建設業の完成工事高に含めることはできません。

まとめ

この記事のまとめ

自社で「工事」と呼んでいる作業が、建設業許可の審査における「工事」にあてはまらない可能性があります。その場合、工事実績として認められません。

実際の工事現場での作業が、 建設業許可でいう工事にあたるのかどうかは、具体例をもとに考えていくことになります。

工事として認められない作業の例は、地域差があります。
いわゆる保守工事などと呼ばれる作業も含まれており、実務上では切り分けが難しい例もありそうですが、建設業の許可申請にあたっては、工事として認められるかどうか、作業内容を慎重に吟味する必要があります。